963417 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

◆発掘イソップ

発掘イソップ♪

イソップ寓話集から唐突に、ご紹介です。
生活の様々な場面の中には、少し考えさせられる事に遭遇したりすることもありますね。
イソップ寓話は、紀元前600年ごろに成立したといわれる大変古いお話ですが、
処世訓に富み、今の世でも通用する生きるヒントが隠されています。
一字一句かみ締めるように読むのがコツです。お暇な時にでも少しづつどうぞ。

★オンドリと宝石NEW!
★熊と二人の旅人
★ミツバチとジュピタ-神
★かしの木とアシたち
★農夫ときつね
★賢者とありたちとマ-キュリ-神
★うさぎと猟犬
★水浴びをする少年
★お爺さんと息子と孫
★マ-キュリ-神と彫刻家
★おおかみと子羊
★ライオンの御代
★カニとその母親
★ツバメとカラス
★人とへび
★ロバとラバ
★父親とその息子たち
★やぎ飼いと野生のやぎ






おんどりと宝石


オンドリが餌を探していて、宝石を見つけた。

 すると、オンドリはこう叫んだ。

「なんと詰まらぬものを見つけたことか!
 
俺にとっちゃ、世界中の宝石よりも、

麦一粒の方がよっぽど価値がある。」



石好きにとって、これは真実か?
切羽詰れば皆そうでしょう。


























クマと二人の旅人

二人の男が一緒に旅をしていた。

と、二人は、ばったりとクマに出くわした。

一人は、すぐさま、木に登り、葉陰に身を隠した。

もう一人は、クマにやられてしまうと思い、地面に横たわった。

すると、クマがやってきて、鼻先で探りを入れながら、

全身をくまなく嗅ぎ回った。

 彼は、息を止め、死んだ振りをした。

クマは死体には触れないと言われているのだが、

その通り、クマはすぐに彼から離れて行った。

クマが見えなくなると、木に登っていた男も降りてきて、

「さっき、クマは、なんて囁いたの?」と、間抜けなことを言い出した。

すると相方はこんな風に答えた。

「クマはね、僕にこんな忠告をしてくれたよ。

……危険が迫った時に、知らんぷりするような奴とは、一緒に旅をするな!」

災難は、友の誠実さを試します。
困った時の友こそ、真の友とはけだし名言です。
窮地に追い込まれたときに冷静さを失わすに眺めると、
他人と自分との距離がよくみえてくるものですね。
そしてそれは普段思っていた距離とは違う事が多いものです。





ミツバチとジュピター神


ある女王バチが、ジュピター神に、

ハチミツをプレゼントしようと、オリンポスへと昇って行った。

 ハチミツを痛く気に入ったジュピター神は、

彼女の望むものなら何でも与えると約束した。

そこで、彼女はこんな事をジュピター神に乞うた。

「偉大なるジュピター様。私はミツを盗みに来る人間を殺せるように、

針が欲しいのです」

 ジュピター神は、人間を愛していたので、

その願いを大変不快に思ったが、約束は約束なので、

彼女の望みを断ることができなかった。

そこで、ジュピター神は、彼女にこんな風に応えた。

「おまえの望みは叶えてやる。

だが、もし、おまえが、その針を使うならば、

おまえ自身の命も危ういものになるだろう。

おまえの刺した針は、傷口から抜けることはない。

そして、その針を失う時、おまえは死ぬ」

「人を呪わば穴二つ」とは、よくいったものです。
憎んだり、のろったり、そういう要因はそこら中にあるもの。
でも、双方の出方によってはそうしないですむ道も必ずあるはず。
間違いなら誤る事と許すこと。
そうしない時には、このように双方の消滅に至る穴がぽっかり開くことに成ります。










カシの木とアシたち


 とても大きなカシの木が、風になぎ倒され川に投じられると、

アシの生えているところへと流されて行った。

 カシは、アシにこんなことを言った。

「お前たちは、そんなに細くて弱いくせに、

どうして、あんなに強い風を受けても平気でいられるのだ?」

 すると、アシたちがこんな風に応えた。

「あなたは、風と戦おうとしたのですから、身を滅ぼすのも当然です。

私たちは、ほんのそよ風にも頭を垂れます。

だから、無事でいられるのです。」

「負けるが勝ち」という事でしょうか。
死んだらおしまいという生き物の論理では、無理はしないのです。













農夫とキツネ


農夫は、キツネがニワトリを盗むので大変憎んでいた。

ある日のこと、農夫はついにキツネを捕まえた。

そして、徹底的に懲らしめてやろうと、縄を油に浸し、

キツネの尻尾に縛りつけて火をつけた。

突然の災難に、キツネは、そこらじゅうを駆け回った。

そして、ある畑へと入って行った。実はそこは農夫の畑だった。

……畑はその時期、小麦の収穫の季節であった。

たわわに実った小麦は、景気よく燃え上がり、跡には何も残らなかった。

彼は悲嘆にくれて家路についた。

いくら腹を立てても、無茶をしてはいけません。教訓に満ちています。














 



賢者とアリたちとマーキュリー神


船が沈没し、乗客乗員全てが溺れ死ぬのを、岸から見ていたある賢者は、

たった一人の罪人が、たまたま乗っていただけなのに、

大勢の罪のない人々にも死の審判を下した、神の不条理を罵った。

 賢人は、しばらくこうして、憤りに心を奪われていたのだが、

一匹のアリが彼の足にはい上がり噛みついた。

彼はアリの巣のすぐ近くに立っていたのだ。

 すると、賢者はすぐさま、アリというアリを踏みつけて全て殺してしまった。

すると、マーキュリー神が現れて、杖で賢者を打ち据えながらこう言った。

「おまえに、神の審判を任せたら、

この哀れなアリどもにした事と同じ仕打ちをするのではないのか?」

他人の振り見て我が振りなおせ。主張と行動が整合しなければなんの意味もない。
この話、そこら中にころがっている話です。私も赤面です(^^;;;。


 









   




ウサギと猟犬


ある猟犬が、ウサギを巣穴から狩りだした。

しかし長いこと追いかけたが、結局、追いかけるのを諦めた。

それを見ていたヤギたちが、イヌをあざ笑って言った。

「あんたより、チビ助の方が速いとはね……」

 すると、イヌはこう言い返した。

「私は夕食の為に走っているだけだが、

ウサギの方は、命をかけて走っているのだ」

必死という言葉を思い出します。
対面して話すことのひとつの意義はこの表情をつかむこと。
相手が必死の顔をしているなら、
わけがわからなくてもまず耳を傾けなければなりません。

















水浴びをする少年


川で水浴びをしていた少年が、深みにはまって溺れてしまった。

 少年は大声で叫んで、通りかかった旅人に助けを求めた。

しかし旅人は、手を差し延べようとはせずに、

無頓着に傍観したまま、少年の軽はずみを叱りつけるばかりだった。

「おじさん」少年が叫んだ。

「お願いだから助けて! 

そうしたら、どんなに叱っても構わないから・・・・」

助けの伴わない忠告は役に立たない。
これも良く見かける風景です。役に立たないどころか、逆効果だと思います。


















お爺さんと息子と孫


昔のことです。大変年を取ったお爺さんがいました。

お爺さんは、目はかすみ、耳は遠くなり、膝はがくがく震え、

食事の時に、満足にスプンを持つことができずに、

スープをテーブルクロスにこぼしたり、口からこぼしたりするほどでした。

お爺さんの息子とそのおかみさんは、これにうんざりして、

とうとう、年老いたお爺さんをストーブの後ろの隅っこに座らせて、

粗末な陶器に食べ物をわけ、それも十分には与えませんでした。

お爺さんは、目に涙をいっぱいためて、テーブルを眺めていたものです。

 ある時、お爺さんの震える手は、器を持っていることが出来ずに、

器は床に落ちて割れてしまいました。

若いおかみさんはお爺さんを叱りつけましたが、

お爺さんは何も言わずに、溜息をつくばかりでした。

それから、息子夫婦はお爺さんに、やすものの木の器を買い与え、

お爺さんはそれで食べなければならなくなりました。

 ある日のこと、こんな風に皆が座っていると、

4歳になる小さな孫が、床の上の木片を集めはじめました。

そこでなにをしているの? と父親が尋ねると、

子供は、僕は小さなお鉢を作っているんだよ。

僕が大きくなったら、お父さんとお母さんに、これで食べさせてあげる。

夫婦は少しの間、互いに顔を見合わせていましたが、ついに泣き出しました。

そして、年老いたお爺さんをテーブルにつれていきました。

それからは、いつでも皆と一緒に食べるようになり、

お爺さんが、少しくらいこぼしても、なにも言いませんでした。

これとソックリな話がグリム童話にも日本昔話にもあります。「姥捨て山」です。
両者はインド説話がル-ツでつながっているんだそうです。
それにしても、悪気のない残酷がたくさんあります。
ここでは誰がどのように悪いのか、良く見極めることが大事です。





マーキュリー神と彫刻家


ある時、マーキュリー神は、人間がどれくらい、

自分を敬っているか確かめてみようと思った。

そこで、人間の姿に身をやつし、

沢山の彫像が陳列してある彫刻家の工房を訪れた。

 まず彼は、ジュピター神と女神ジュノーの神像の値段を尋ねてみた。

そして次に、自分の神像を指してこんなことを言った。

「こっちの神像は、もっと高いんだろうね? 

なんたって、こっちは神々の伝令であり、そして富を司る神様なんだからね」

 すると、彫刻家はこう答えた。

「分かりました。もし、あなたが、ジュピターとジュノーの両方を、

お買い上げ下さるのなら、これはおまけします」

おまけがこんなに昔からあるとは、いつの世も似たようなものです。自意識過剰にならないようにという事でもありますね。













オオカミと仔ヒツジ


ある日のこと、オオカミは、群とはぐれて迷子になった仔ヒツジと出会った。

オオカミは、仔ヒツジを食ってやろうと思ったが、

牙を剥いて襲いかかるばかりが能じゃない。

何か上手い理由をでっち上げて手に入れてやろうと考えた。

 そこで、オオカミはこんなことを言った。

「昨年お前は、俺様にひどい悪口を言ったな!」

 仔ヒツジは、声を震わせて答えた。

「誓って真実を申しますが、私はその頃、まだ生まれていませんでした。」

 するとオオカミが言った。

「お前は、俺様の牧草を食べただろう!」

「いえいえ、私はまだ、草を食べたことがありません。」

 するとまたしてもオオカミが言った。

「お前は、俺様の井戸の水を飲んだな!」

 仔ヒツジは悲鳴を上げて答えた。

「いえ。まだ、水も飲んだことがありません。……だって、

お母さんのお乳以外は、まだ何も口にしたことがないのですから……」

「ええい! もうたくさんだ! お前がなんと言おうとも、

俺様が、夜飯を抜いたままでいるとでも思っているのか?」

 オオカミはそう言うと、仔ヒツジに襲いかかった。
 
 暴君は、いかなる時にも、自分に都合のよい理由を見つけるものです。
つまり、権力者の正当化された横暴は、いつの時代にもあったという事です。






ライオンの御代

 野や森の動物たちは、王様にライオンを戴いていた。

ライオンは残酷なことを嫌い、力で支配することもなかった。

つまり、人間の王様のように、公正で心優しかったのだ。

 彼の御代に、鳥や獣たちの会議が開かれた。

そこで彼は、王として次ぎのような宣言をした。

「共同体の決まりとして、

……オオカミと仔ヒツジ、ヒョウと仔ヤギ、トラとニワトリ、

イヌとウサギは、争わず、親睦をもって、共に暮らすこと……」

 ウサギが言った。

「弱者と強者が共に暮らせるこんな日を、

私はどんなに待ちこがれたことか……」

ウサギはそう言うと死にものぐるいで逃げていった。

地上の楽園など、この世にはないという事ですね。






カニとその母親


カニの母親が息子に言った。

「なぜ、横歩きばかりするの? 真っ直ぐ歩くようにしなさい」

 すると仔ガニはこう答えた。

「お母さんが、真っ直ぐ歩いてくれたら、僕も真っ直ぐに歩くよ」

母ガニは、真っ直ぐ歩こうとしたが、どうしても出来なかった。

率先垂範、実例は教訓より説得力があるもの。
人は相手の口に従うわけではないのです。






ツバメとカラス


 ツバメとカラスが、羽のことで言い争っていた。

そして、カラスがこんな事を言って、その議論に決着をつけた。

「君の羽は、春の装いにはぴったりかもしれない。

でも、僕の羽は、冬の寒さからをも、身を守ってくれるんだよ!」


困難な時の友こそ本当の友。
見た目よりもずっと大切なものがある、それを知る事はとても大切な事です。


















人とヘビ


 ある家の庭先に、ヘビの穴があった。

そして、そのヘビはその家の子供を噛んで殺してしまった。

父親は、子供の死を悲しみ、ヘビへの復讐を誓った。

 翌日、ヘビが餌を獲りに穴から這い出して来ると、

彼は斧を握りしめ、ヘビめがけて、振り下ろした。

しかし、慌てていたため、ねらいが外れ、

しっぽを切っただけで、頭を真っ二つにすることは出来なかった。

 その後しばらくして、男は、

自分もまたヘビに噛まれてしまうのではないかと恐れ、

ヘビの穴に、パンと塩を置いて、仲直りをしようとした。

ヘビは、シュルシュルと舌を鳴らして、こんなことを言った。

「我々は、仲直りなどできない。……私は、あなたを見れば、

尻尾を無くしたことを思い出すだろうし、

あなただって、私を見れば、子供の死を思い出すだろうから……」


傷を負わされた者は、決してその痛みを忘れない。特にその仇が目の前にいる時には……。
刑法は応報刑から教育刑になっているといわれますが、
そんなに単純ではないでしょう。眼には眼を、これは深い意味があります。





ロバとラバ


 ある馬方が、ロバとラバにたくさんの荷を積んで後ろから追っていた。

ロバは、平らな道では、苦もなく運んだが、山にさしかかり、

急な坂道を登り始めると、重荷耐えられなくなった。

そこで、ロバは相方に、少しでよいから、

荷物を肩代わりしてくれるようにと頼んだ。

……このままでは、なにもかも運べなくなってしまうから……と、

しかしラバは取り合おうともしなかった。

 その後すぐに、ロバは、地面に崩れ落ち、荷の下で息絶えた。

山奥のことなので、馬方は他にしようがなく、

ラバの荷物に、今までロバが運んでいた荷物を載せ、

さらに、ロバの皮を剥ぐと、それを、一番上に積んだ。

 ラバは、重い荷物に喘いで、一人ごちた。

「これも、自業自得というものだ。

もし、あの時、ロバのちょっとした願いを聞いてやっていたら、

こんなことにはならなかったのに……。

それにしても、まさか、奴のことまで、背負う羽目になるとは……」


苦しくても相手を思いやる心。
それがあるのとないのでは倍半分の相違となって還って来る。





父親とその息子たち


 その男には、息子が大勢いたのだが、兄弟喧嘩が絶えず、

いつもいがみ合ってばかりいて、父親が止めても、

喧嘩をやめないというありさまだった。
 
 この期に及んで、父親は、内輪もめが如何に愚かなことであるかを、

教え諭さなければならぬと痛感した。
 
 頃合いを見計らって、男は息子たちに、

薪の束を持ってくるようにと言いつけた。

息子たちが薪の束を持って来ると、男は、一人一人にその束を手渡し、

そして、それを折るようにとにと命じた。
 
 息子たちは、懸命に力を振り絞ってみたが、薪の束はびくともしなかった。

そこで、男は、束をほどくと、今度は、一本一本バラバラにして、

息子たちに手渡した。すると息子たちは、たやすく薪を折った。
 
 そこで、彼は息子たちに、こんなことを語って聞かせた。

「よいか、息子たちよ。もしお前たちが、心一つに団結し、

互いに助け合うならば、この薪の束のように、どんな敵にもびくともしない。

しかし、互いがバラバラだったなら、

この棒きれのように、簡単にへし折られてしまうのだ。」



このお話、毛利元就のお話とソックリ同じです。これもどうやらル-ツはつながっているようです。




ヤギ飼と野生のヤギ


 夕暮れ時、ヤギ飼が、ヤギの群を放牧地から移動させていると、

群の中に野生のヤギが混ざっていることに気が付いた。

そこで、彼は、野生のヤギたちを、自分の群と一緒に、

囲いの中に入れておくことにした。

 翌日、雪が激しく降り、ヤギ飼は、

ヤギたちをいつもの牧草地へ連れて行く事ができずに、

やむなく、群を囲いの中に留めておいた。

そして、彼は、自分のヤギには、

飢え死にしない程度にしか餌を与えなかったが、

新参者たちには、たくさん餌を与えた。

と、いうのも、こうすれば、

彼らをうまく手なずけられるのではないかと考えたからだった。

 翌日、雪が溶けはじめると、ヤギ飼は、

ヤギたちを牧草地へと連れて行った。

ところが、野生のヤギたちは、一目散に山の奥へと逃げて行った。

彼は、逃げて行くヤギたちに向かって、吹雪の時に、自分のヤギに倍して、

あんなに世話をしてやったのに、逃げて行くとは、

なんと恩知らずなんだと叫んだ。

すると、一匹がくるりと振り向いてこんな事を言った。

「我々が、こんなに用心するのは、そこなんですよ。

あなたは、長年慣れ親しんだヤギたちよりも、我々を大切にした。

ということは、もし、我々の後に、また別の者がやってきたら、

あなたは、同じように、新しい方を大切にするでしょうからね……」



新しい友人のために、古くからの友人を裏切る者は、
その報いを必ず受けるという教訓です。
多少は仕方ないとおもうのですが、
度が過ぎると両方を失うことになる場合もあるという事です。







本文

コメント





本文

コメント






本文

コメント





本文

コメント






HOME




© Rakuten Group, Inc.